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2005年5月


5月31日


お久しぶりの日記です。
なかなか書けなくてごめんなさい。(あまり期待もされてないか…)


やっとこさ大阪シーバスしばいてきましたよ。

       

袋はぶんぶんの60センチ袋です。
あまりサイズはよくないけど、50センチ2匹。


細かいこと書きたいところですが、
すんません今から料理しなくちゃならないんでまた後日。


















5月26日


今日はバイトがやすみなのでバスケ部の試合を見に行った。


今、西日本学生大会というとても大きな大会をやっていて準々決勝まで勝ち上がっている。しかも相手は去年優勝した愛知学泉大学だというから、この大一番は見届けてやらねば。

会場の府立体育館へ到着してみると、相手は東海の浜松大学だった。
どうやら愛知学泉大学は負けたようだ。
この浜松大学には220センチの留学生など、選手がそろっていて、平均身長はうちの大学よりも高く190センチ台だろう。

さあ試合が始まる。
先発メンバーはほとんど私と同じ3回生だ。
同じころ入部し、共にしんどい練習をこなしていたライバル達、そしていつも遊んだり飲んだりしているやつらがこうやって大一番のコートに並ぶ姿を見るのはなんだか感慨深いものがある。

ジャンプボールは昨日パソコンで会話していたやつだ。
彼は昨日、こう言っていた。

「俺らにとって最初で最後のチャンスじゃけーね。4回生おってベンチが充実しとる今しかないけーがんばるよ。」

ジャンプボールのあいては220センチのヤツだったが、なんと彼は勝った。


なんだか、見たことが無いくらい気迫に満ちている。まるで違うチームと見間違うくらいに。

いつも笑って私をバカにしてくるやつも、静かであまり多くを語らないやつも、見たこともないくらい闘志をむき出しにしてボールを追い、飛び込む。

全員、わかっているのだ。この大一番がどれだけのチャンスかを。
みんな、「勝ちたい」のだ。


その気迫は点差に現れていく。
うちの大学の特徴である「激しく厳しくプレッシャーの強いディフェンス」が効いている。
そして高められた集中力で放たれるシュートは落ちない。
徐々に点差は離れる。

そしてラスト3分。相手がわざとファウルをして時間を止めだした。
この「ファウルゲーム」になれば、もはや勝利はもらったも同然だ。


        
        残り3分ファウルによりフリースロー。青がうちの大学です。


試合終了。

83対62で圧勝であった。


明日は中京大学らしい。凱旋する友達に明日も見に来いよといわれたが…
明日はバイトで行けない。本当なら最後まで見たいんだけどな。


きっと決勝まで行くこと信じてるよ。
西日本優勝して伝統校の意地みせてくれ!


影ながら応援してます。













5月25日


やっと給料日。
始めなのでたいした額ではないんだけど。

愛用していた時計を3月の福井旅行でなくしてしまって以来不便な毎日を過ごしていたので、とりあえず時計を買いました。
2万の時計を中古で3000円。


このお金で富山にも帰らなければならないのであまり使えないんだけどね。









5月24日


大学の帰り、なんとなくスーパーへ立ち寄った。

真夜中の店とは違い、おばちゃんたちでにぎわっている。
試食コーナーもたくさんで、私はおやつがわりにまぐろの刺身とかつおのたたきと鮭の塩焼きを5回ほど食べた。なんとなく周りを気にしながら食べていたが、まわりのおばちゃんたちはそんな事も気にせず

「あ、うまそうや、たべよたべよ!」

と素手で1度に5切れくらいつかみほおばる。それを何回も繰り返す。
さすがに大阪のおばちゃんは富山のおばちゃんとは一味ちがって大胆だ。


試食したかつおのたたきの値段を見てみた。
半身で200円だ。安い。今日はこれだな。



バイトから帰り、さっそく冷蔵庫を開ける。
待ちわびたタタキがつややかに私を迎える。

市販のタタキも一手間加えるだけで格段に味がよくなるのをご存知だろうか?
切り分ける前にブロックごと串で刺してコンロの、ハイカロリーの、強火の、直火で、
皮目を一気に焼く。
パチパチ焦げ目が出来るくらいまであぶると、皮目に含まれる旨味と風味がグッとよくなるのだ。
この手間を加える事で薬味などは必要なくなる。
むしろ薬味をつけないほうが断然うまくなる。
生臭みが全くなくなり、旨味風味が強くなるので、その味を薬味で消さないほうがうまくなるからだ。
タタキといえば薬味、という概念を持つ方は多いとおもうが、実際のところ本場の漁師さんのタタキはほとんど薬味をつけないという。

一手間加え上げ、切る分ける。皮目が熱くて困るが、そのパリパリの感触が食欲を掻き立てる。

            
           一応にんにくは見栄えのために置いときました。


茶碗山盛りのごはんと冷えたチューハイを用意し、今夜もスタート。


まずは背の身からいきましょうか。
パリパリの皮の激しいくらいの香ばしさともっちりとした身!すだち醤油でとんでもなく旨い!
そして腹身!
ジューシーな脂から香る至福の音色が、ほおばる前から私を満足させる。
ほおばったら最後、もう自分を制御できなくなり、気がつけば完食、となる。
これは脂を味わうために醤油オンリーちょこっとつけて頂くのがよろしいかと。


…「至福」

たった200円で「至福」。


これからの季節、カツオも大きくなり脂ものる。そして同じようなヨコワ(富山ではメジだったか?)という黒マグロの子供も店に並ぶ。これもまた最高にうまい。
秋には秋刀魚も…なんて考えたらきりがない。



季節の魚と特価の魚…
そして試食の魚を求めて毎日大阪のおばちゃんに紛れることになりそうだ。











5月23日


バイト帰りにスーパーに寄った。

ブリのアラが200円の半額になっていたので、これでアラ炊きを作ろう。
大根も入れてブリ大根にしようかと思ったが、ブリより高いのでやめた。


まずアラに塩を振って少しおく。そうすると臭みと一緒に水分が出てくれる。

煮汁は、醤油、みりん、酒、砂糖。
男の料理さ、分量なんて量らない。感覚で投入。

煮汁が沸騰しすぎないよう火を弱めにして、アラを入れる。
そしてしょうがも切って入れる。

少しそのまま煮て、落し蓋をする。私はアルミはくで落し蓋をしている。
これをすることによって熱もよく通るし、味も全体にまわる。

煮汁が少し減ってきたら、火を止め、そのまま冷ます。
煮魚というのは熱が冷めていく過程で味がしみるのだ。

さて完成だ。味もオッケー。ごはんもビールも進みそうな一品になった。


           
                アラ炊き。大好物なんです。


私はいつだったか食べたアラ炊きの味を求めて毎回作っているのだが、未だその味にはたどり着いていない。
この料理は使う魚によって全く味に違いがでる。

マグロのような赤身の魚のアラであれば、コクの中にわずかな苦味もでる。
根魚であれば、しっとりホクホクと上品な身質に仕上がり、味には甘みがでる。

確かあのアラ炊きはヒラメだったような。
いつかあの味を再現させてみたいものだ。



美味しい一品料理と昨日残しておいたビール1本。


ベランダのベンチで、初夏の訪れを夜風に感じながら。















5月22日


なんだか無性にビールが飲みたくなった。

小さな頃、好奇心でビールをなめさせてもらったあのときは苦くて甘くもないこんな飲み物のどこがおいしいのかと不思議で仕方がなかった。

しかし、一体何がこう人を変えていくのだろう。

今、私は無性にビールが飲みたい。


買いに行こう。

チャリがない私はバイクにまたがった。
フルフェイスヘルメットをかぶった瞬間、私は人が変わる。

ギアチェンジするごとに風の世界へ誘われているようだ。
エンジン音を夜の街に響かせて私は走った。


お酒の安いスーパーについた。
フルフェイスヘルメットをとり、買い物カゴをもった瞬間私は人が変わる。

鮮魚を手にするごとに食の世界へ誘われているようだ。
腹の音を夜のスーパーに響かせて私は歩いた。


本当は、カツオのたたきがお目当てだったのだが、閉店間際ということもあって、すでに売り切れていた。
残念がっていたら、特価のイカ塩辛が目に映り購入。

その数メートル先、イカリお好みあまからソースが安くなっている。
こりゃ、お好み焼き決定!

献立も決まって肝心のビールコーナーへ。
私はもっぱらスーパードライ派なんだが、そんな高いビール買ってられません。
100円の発泡酒を2缶購入。


家に帰り、さっそく支度。
お好み焼きはキャベツだけしか入らない貧乏お好み焼きだが、これでも十分うまいのだ。キャベツをざく切りし、100円の小麦粉と卵を入れてまぜる。
ここで和風ダシを少々入れると香りがよくなるよ。
フライパンで焼き、ソースとマヨネーズをかけて出来上がり!

           
            貧乏お好み焼き。味は完璧お好み焼き。

           
                 激安塩辛。味は…


できあがったお好み焼きの香ばしいソースの香りと共にビールをゴクゴクゴク!!

かぁ〜〜〜!最高ですな!!

イカの塩辛はなんかイカが柔らかく、ゴムみたいな感じ。
ちょっと拍子抜けだったが、日本酒を持ち出すとまたこれが進む事。

なんか、一人で飲むのも寂しいんだけど、それはそれで大人の味ってやつか??


孤独と哀愁をまとった20歳、お酒をおいしいと言う大人を不思議な目で見つめていたあの幼い頃を思い浮かべながら、一人夜酒に浸るのであった。













5月21日


新しいチャリを買った。
無い金をはたいて3000円の中古ママチャリを。


…が、そのチャリとは1日の付き合いとなった。


私は街にでるため、駅にチャリを置いた。
とは言っても有料の駐輪場ではなく、駐輪禁止の場所だった。
たった3時間の用事だし…なんて甘い考えだったろうか。

3時間後、山のようにとまっていたチャリンコは跡形もなく消えていた。
私は呆然と立ち尽くした。

そう、撤去されたのだ。


大阪は富山に比べると圧倒的に人口が多い。
用事も近場で済ませる事ができるだけあって自転車利用者もとても多い。
ともなって、駐輪によるトラブルも多い。
だから駐輪禁止の場所の自転車は定期的に撤去されていく。

しかし、どこにも駐輪スペースなど確保されてはいない。
あるのは有料の駐輪スペースのみだ。
ほんの短時間のためにいちいちお金を払っていたら、どれだけの金額になるだろうか。
ほとんどの人がリスクをおかして駐輪禁止の場所にとめてしまう。
そして私もその一人だった。

実際、迷惑になるのだから駐輪禁止の場所にとめることはおかしい。
してはいけないことをして、撤去されているのだからその事自体に文句は言えないのだが、一ついいたい。

自転車は車とは違って、もはや人の足、と同じようなものなのだ。
歩いて出歩くのと同じくらいのレベルで捉えられている自転車を止めるのにお金がかかるなんて、なんて悲しいことだろう。
そんな実情で有料駐輪スペースをいくら増やしても、迷惑駐輪の解決にはあまり効果はないのではないか。

無駄なところに税金つかうなら、とりあえず無料駐輪スペースでも増やして頂きたいものだ。


そして撤去された自転車を返してもらうのに、2500円かかる。

こんなこと、やくざでもしない。














5月20日


やっと日記を書く余裕ができました。
連日忙しくて、今日なんてバイト一人で死ぬかと思いましたよ。


ソルトマスターがバラムツ釣行から帰ってきました。
顔を合わせるや満面の笑みを浮かべ

「やぁ〜小物釣り師君!」

いきなり両手を広げ、「こんなん釣ったで!」とジェスチャー。
つれたのは140センチ20キロの立派なバラムツだそうです。
150メートルで300グラムのジグをシャクリ、とてつもない衝撃と共に食いついたそうな。

もってきてくれなかったんすか??なにげに期待してたのに…とつぶやくと、

「あんなかわいい魚食えるか!」

…ちぇ!いいですもんね!そろそろでっかいシーバス釣るんで!


しかし、うらやましいなぁ。
バラムツで140センチはレギュラーサイズらしいが、やはりうらやましい。
しかもこんどはシイラを釣りにいくって。

ぜったい一度は連れて行ってもらおう…。














5月17日


25日に給料が入ったら土日を利用して富山に帰ろうと思ってます。

皆さんの情報を聞いているともう耐えれません。
それにそろそろ富山での釣果を入荷せねば富山県なんとか情報なんて語れません。


さて富山に帰ったらまずは何を釣ろうか。
地元の釣り仲間に今釣れているものを聞いてみました。

話によると、とにかく稚鮎が多いからそれ狙いのフィッシュイーターがアツい!
シーバスはもちろん、ヒラメ、マゴチもけっこう釣れてるみたいです。
各漁港や海岸線のテトラでは依然黒鯛が姿を見せ、キジハタもちゃんとかかるとのこと。

…そんなん聞いたらなおさら何を狙おうかなんて絞れないよ。
とりあえず1日目は某河川の河口に出向いてシーバスを狙いつつ、明け方には低層も攻めてちゃっかりヒラメ…ってなスタイルでいこうか。そんで2日目はテトラで根魚と戯れるとするかな。


結局ぜんぶ狙いにいくぞ、という計画になっちゃった。



二兎追うものは一兎も得ずということわざをしらないわけではないんですが。












5月16日


キープしたセイゴを調理しました。

ほんと、生後何ヶ月?といいたいようなセイゴなんだけど、大阪湾で食べるなら大きい個体より小さい個体のほうが臭いがついていないんじゃないだろか…。とちょっと期待します。


まず、セイゴを3枚におろして皮をと骨を除く。
この時点でひどい臭いは感じられない。むしろふつうの鮮魚と臭いは変わりません。

塩コショウ、コリアンダー、そしてにんにくのすりおろしをまぶし30分。
今だ臭いは怖いので強烈な臭い消しグッズを多用します。

そしてそれらを一度洗い流し水気を切り、塩コショウとコリアンダーをつけ小麦粉をまぶす。

フライパンを用意しにんにくのスライスをオリーブオイルで熱し、取り除く。
バター…はないので、マーガリンを入れ熱が入ったところで切り身投入。

両面しっかりと、気合を入れて焼きましょう…。本当に臭いがあるならしっかりと焼かねば。

そして焼きあがってきたら皮側の方にパセリを散らす。
これで完成。皿に盛りましょう。

ソースはフライパンに残る油に醤油を加え少々焦がし気味にしてかけました。他に何も無いので。


        
           大阪湾発セイゴのムニエルバター醤油ソース。


さぁ食べてみましょう。
ブンブンのスタッフ一同
「あれは食べ物じゃない!人間ならまず食べれない!」
と言わしめた食材。本当に臭いのか?


口に入れると…



あれっ?


ぜんぜんいけますよ。っていうかむしろ超うまい。

臭さなんて微塵もないし、上品でほっこりした白身は日本海のシーバスとなんら違いありませんよ?
いや、まじでうまい。まだまだたべたいもん。



おそらくみんなが食べていたのは50〜70くらいの 長年ばっちりと大阪湾の香りを体に染み渡らせた個体だったのでしょう。
このような小さなセイゴは全く問題なく食べれる事が判明しました。


今度釣れたら間違いなくキープ。でかいの釣れてもキープ。
強烈な臭いを味わいたいというチャレンジャーなんで。私は。



まぁそれ以前に釣れるかが問題なんですけどね。















5月15日


バイトは昼までだったので夕方から毎度の天保山へ一人で釣行。
今日は休日ということもあってUSJがひときわさわがしく花火やら煙やらが立ち上がっている。

そんな光景を目の前にして私は静かにキャスト。
黙々と停泊船まわりを攻める。


安いアリアのベイスラッシュに変えた直後、桟橋の付け根付近の暗がりで大きな手ごたえあり!50前後か?
だが浮かせる直前で無念のフックアウト。
なぜだ、なぜ食ってるのにこうもことごとくバラすのか。
合わせが弱いのか?いや、ここまできたら意識して鬼合わせを入れている。
合わせが遅いのか?…これはもはやセンスの問題だ…。



そして終電の時間の11時40分をまわる。

ちくしょう、今日もノーゲットかよ…と帰宅しようとしていたとき目の前でバシャバシャ!とシーバスがボイル。まるで、…いや、本気で私をあざ笑うかのようなその行為に私は奮い立ち、朝までルアーを投げる事を決意。


そして海遊館裏の船着場に移動。
ここでは休日を天保山で過ごした若者たちが大勢たむろっていた。
酒が入っているようでアホみたいに騒がしかった。勢いでからまれかねん…とも思ったがそんな事でめげるわけにもいかないので無視してキャスト。

しかしここはボラが多い。
あきらかに60以上あるボラが数百匹の群れをなしている。
邪魔だが、この下にシーバスがいることを祈る。

時間は経ち、深夜2時。アンリパのシーバックCDの7センチを投げていた。
半分あきらめムードの私に追い討ちをかけるようにブンブンの先輩からメールが。

「つれたー?どうせつれてないやろー?俺はボウズ確定やと思うよ!ほな私は寝ます。じゃ。」


あーそうですね、今日もボーズですね!と投げやりにルアーを桟橋の下にキャストしていたとき、ルアーが妙な動きをした。
感触はなかったのでかるくあわせてみると…


           

そこには30センチあるかないかのセイゴが。

あまりにも小さいので大きなよろこびではなかったが、ノーゲットの続く私を救ってくれた貴重な1匹だ。
感謝して…キープした。

次なる獲物を狙ったが、その後はノーゲット。天保山公園にウォーキングのおじいさんおばあさんが現れてきたので終了とした。



もうすでにノーゲットクラブの名誉会員にまで登りつめていた私。
これからなんとかして挽回し、早く脱会せねば…。


        
              夜明けの北港。あのビルはUSJ。














5月13日


店で親子連れが釣具を買いに来る光景を毎日見る。
私にはかつての自分と重なって仕方が無い。


私が初めて釣りをしたのはいつだったか、はっきりは覚えていないが、なんとなく「釣り」という言葉で一番古い記憶にあるのは父が釣ってきた3匹のキスだ。

そのころ私はおそらく4〜5歳だったが、クーラーに入った20センチほどのキスは当時の私にとってはとても衝撃的な大物だった。
私は釣りに行ったわけではなく家で父の帰りを待っていただけだったので、こんな大物を釣るなんて父さんなんてすごいんだ!と一人で感動していた覚えがある。

しかしそのころ私は虫博士だった。
母に連れられて黒部川の河口付近の河川敷にある朽木に通っては、その中にいるクワガタを捕まえて飼っていた。みんなが欲しがるようなマンガやおもちゃよりも、分厚い図鑑を買ってくれとせがんでいた。おかげでいまでも虫の知識は豊富だ。ほとんどの虫の種類も生態もわかる。
だからさっきの父の魚では私は一気に魚へ転向はしていない。

魚への転向が表向きになってきたのは、布施川上流でサワガニをとったり、母が黒部川で小さな魚(今思えば鮎だろうか)を捕獲したあたりからだ。
もちろん水生生物に触れる機会が増えれば、その図鑑が欲しくなる。
そういう出費はケチらないタイプの私の親は、私に数冊の魚図鑑を与えてくれた。
それが魚人生釣り人生の始まりだった。


そして父と釣りに行くようになった。
いつごろだったかハッキリはしないが、小学校低学年か、それより以前だろう。
まったく釣りというものを知らなかった私達は釣具店のいいなりにサビキ釣りを始めていた。
だが、何かおかしい。
当初父の作ったサビキ仕掛けはなぜかハゼやヌメリゴチばかりが釣れた。
それはそれで、釣果としてよろこんでいたのだが、周りのみんなはアジを大量に釣っている。
なぜサビキでアジが釣れなかったのか。その仕掛けを思い出してみよう。
なんと道糸とサビキ仕掛けの連結部に重たいカゴがついていて、仕掛けは完全にふわふわと漂っており、それを海底まで沈めていたのだ。その上サビキの針には鯛を釣るときに使う練り餌のようなものをつけていた。そりゃハゼやらコチが釣れるわけだ。
無知とはおそろしい。

その事態に気付き、なんとか普通の釣り方を覚えた私達に数匹のアジが釣れ始めた。最初は5匹とかいう貧果が続いたが、次第に釣果はのびた。

そんな日々が続き、次に私達があこがれたのはウグイとボラだった。
手のひらサイズの魚しか手にした事のない私達にとって、隣の人がぽんぽん釣り上げる巨大な魚体は、初心者の私達にとってものすごく「熱」かった。
なんとかしてその魚を釣りたい…と胸を膨らませた。

今思えばこのウグイとボラが私を釣りにハマらせたのかもしれない。


これは小学校の頃の話だが、こんな事もあって私は毎週毎日どこかで釣りをするようになった。学校が終わってからや、休みの早朝から自転車で友達と釣りに出かけるようになる。

もうこの頃には釣りなしの日々は考えられなかった。日々を重ね、様々な釣りと魚に出会った。
そして釣り場ではいろいろな釣り師との出会いもあった。
教えてもらったりしてどれだけ勉強になっただろうか。わたしは、それらが楽しくて楽しくてしょうがなかった。



そして今、私はこうして釣りと向き合う。

あの日父が魚を釣ってこなかったら、
もし母が虫やら魚が嫌いな人だったら。

間違いなく私は釣りをしていない。



店に来る親子連れが、その子供達がこんな釣りバカになるかはわからないが
きっとすばらしい経験が待っているに違いないだろう。

そんなすばらしい経験をさせてもらったことを、


親に

釣り人に

そして魚に



感謝する。

















5月12日


店の人に

「バラムツかマグロつりにいこうやー」

と誘われた。


その人は通称、ソルトマスター。海のルアーフィッシングならなんでも任せておけ、というような人だ。
そんな人と私は仲良くしているものだから、その誘いもできるなら断りたくは無い。

最近、岸からの釣りに飽きてジギングにはまっているようで先週もハマチを釣ってきていた。しかしそれに満足できずバラムツやマグロのような大物釣りに手を出しているようだ。私もそんな釣りをしてみたいものだ。だが正直そんな余裕はどこにもない。

ロッドやリール、ジグなどのルアーはメーカーから借りてやる、と言われたが、船に乗って釣りに行くだけで万単位のお金が飛ぶのだ。
いくらクレイジーな私でもバイトの身分ではそんなとんでもないことには手をだせない。


バラムツは和歌山や三重の沖で狙う、深海の大物だ。
深さ200〜400メートルという海でジグを巻く。
釣れる獲物は人間の体くらいある超弩級。
しかもファイターというから釣り人なら絶対にはまるだろう。

だがこの魚、身に20パーセントとも言われるワックスとも言うべき油が含有されていて食べる事はできない。食べると下痢を起こし知らぬ間に垂れ流し状態…なんてことになるらしい。
その身を好む人も中にはいるらしいが、そうとうな覚悟と知識がなければいろいろな意味でおそろしいことになる。



ソルトマスターはいつも栄養不良な私にその魚を釣ってきてあげると言う。



ははは…店で垂れ流してもいいんですか?















5月11日


今、富山の水田には水が入ってるころかな。
もうとっくに入ってたかな。


私の住んでいる大阪には水田や畑など一つもない。
大阪でも少し山の方に行くと多少はあるのだが、ここは街だ。

毎年この季節になると眠りから覚めたカエルや、様々な生き物達が一斉に鳴き始めていたことを思い出す。
カエルや小さなコオロギの鳴き声は、もはや鳴いていることを忘れてしまうくらいあたりまえのことだと思っていた。


自主トレーニングで黒部の真っ暗な夜道をランニングしていた時、真っ直ぐな田んぼの中の一本道を、それら生き物の鳴き声に耳を傾けながら走っていた。
彼らの声は面白みのない、うるさいだけの騒音と思われたりもするが、そんなことはない。
あの富山の真っ暗な夜を彩ってくれているとてもありがたい存在だ。
私は走りながら毎年変わらず歌ってくれるカエルに感謝していた。



大阪の夜はライトばかりで真っ暗なところなどほとんどない。
大阪の夜を彩るのは、眠らないネオンと暴走族の騒音。そしてホストのキャッチ。



今の私からすると、真っ暗な夜道があるというだけでも価値がある。

その上自然の大合唱を聞けるなんて、富山に住んでいる人は贅沢だ。



うらやましい。
















5月10日


どんよりした部屋の空気を入れ替える為窓を開けた。

涼しい夜風が舞い込むと同時に、雲の隙間から覗く星も目に舞い込んできた。


だが空には厚い雲が流れ、星は今にも隠れそう。心の中で

「消えないで」

と願った。



私は星空を見つめるのがとても好きだ。

どんなときもただ静かに、そしてどんなときも美しく輝き続ける姿にとても惹きつけられる。




人というのは様々複雑で、

怒る人、笑う人、強い人、弱い人、短気な人、気長な人、雑な人、丁寧な人…

何億人もいるのにみんなそれぞれ違う。


それはすばらしい事だが、この世の中ではそのためにいらぬ争いや憎しみが生まれているのも事実だ。


そんな様々な人が心のどこかに、何も言わずただみんなを見守る星空の気持ち―

そう、言うなれば私達を包むすべての自然たちの気持ち―

それを持てたなら、人はどんなにすばらしく輝やき、どんなにすばらしい世の中にすることができるだろうか。




私はそれら何も言わない者達が優しいだなんて思わない。

ただ、

優しさを超越した世界で私達に無情な日常を与えていると思っている。






だから、今日も静かに星を見つめていた。


















5月9日


バイト終了後、釣りに向かうべくリーダーを組んでいた。

ダブルラインをめんどそうに作る私をみてみんなが、

「ノーネームノットにすれば?」

と口をそろえる。


ノーネームノットとは。

なんだかどこかで聞いた名前だが、作り方を知らなかった私。

ちょっと恥ずかしいが、主任に教えてもらった。

手順は、リーダーを八の字にしてラインを通し、ビミニツイスト同様のツイストで戻してきてまた八の字に通し締め上げ、最後にハーフヒッチの連続で止める。

ダブルライン作る手間が省け、オルブライトノットになんかと比べると圧倒的に強度はあるのでとても使いやすそうだが、PEラインを使っている場合、結び目の外側にPEがくるので少々不安がある。

しかしそうとう根だらけの場所や、思い切りのキャストを繰り返さないのなら全く問題はないだろう。
今日は初のノーネームノットで出撃だ。



到着した北港は、いつもと違い常夜灯がついていない。
ここは常夜灯がついていないと釣りにくいのだそうだ。
潮も悪くコンディションはよくない。

桟橋を歩いていると、落とし込み師がいた。
釣果を聞くと、45センチほどのキビレ(チヌの近種)が1匹つれていた。
スズキは上がっていないようだ。


キャストを続けるが、全く気配はない。
主任曰く、夕方にバチが抜けているのだろうという。
夕方のバチ抜けでたらふく食ったシーバスは夜あまり動かないのだそうだ。


毎度のポイントを一通り歩いたが、反応はゼロ。

さすがの主任も、「今日はもう切り上げるか」とあきらめが入った。



帰り、なか卯の豚丼をおごってもらい、釣りトークで盛り上がる2人。




昼間の賑やかさがウソのような、雑然とした街を進み、

そして中央大通りに。



その大きな道の先にはまた次の1日がある。




明るくなりかけた空へ、2人のノーゲット野郎を乗せた軽トラは走った。
















5月8日


本当なら、6日から今日まで富山に帰ろうと思っていた。

だが、こっちで釣りするためにお金を使いすぎていたため、バス代がない。
結局断念。


となったら、こっちで釣りをしよう。

と思っていた矢先、チャリはパクられ、原付は動かなくなり。みんなは出勤。
どこにも外出することはできなかった。

こんなときはルアー製作だ。
もくもくと削ろう。

我を忘れ、無我の境地に。

そして2つのルアーが完成した。

           
            9センチファットなシルエットなレッドヘッド。
   
           
              10センチスリムなチャートカラー。

これらリップはつける前です。

やっす〜い材料費とお手軽な時間で作り上げので、見栄えはおもちゃレベル…。

だが、アクションはなかなか。

目玉なんかテープで作ってるけど、まぁオッケーだよね。


こんど釣りに行ったら使ってみよう。


せめてアタリでもあれば、報われるんだがなぁ…。














5月5日


彼女が言う。

付き合って4年目の記念日だと。


正直、男の意見からすれば、

「そんなん、記念日も何も、その年月のただの一日に変わりないじゃん!」

と思うのだが。

女のココロは理解しがたい。
なにか、その日だけの特別な事を求めるのだ。


はっきり言おう。

私はこの日も釣りに行く気だった。

泣かせてもあきれさせても、私は

「釣りを愛しているんだ!」

と堂々と宣言する気だった。


だが…

やっぱり女の前では男は無力。

結局、うまいもの食べに行こうという彼女のゴネに負け、寿司の食べ放題に行く事になった。

難波に出て、グリコのおっさんの前を通り、人ごみにもまれ。

ほんとにこんなしんどい事をして記念になるのだろうか…疑問だ。


そしてついた店。

食べ放題の回転寿司ということもあって、味は、うまくない。

しかし連日の飯抜きもあってか、私は黙々を皿を重ねた。

横を見ると、

…ゼリーのカップばかり重ねていた。


私は腹7分目くらいの35皿、彼女は17、8皿を食べ終え、消化モードに入る。



消化中の彼女、その顔にうつるなんのごまかしもない満足げな笑顔。

…本当に嬉しいんだなぁ。


軽くミナミの街を歩き、帰りにカラオケ(彼女払い)に行った。

1、5畳くらいの狭い部屋で2時間。私は遠慮して彼女に歌いまくらせる。

1時間半ほどして、彼女は疲れたのか、寝た。
おいおい。もったいないので一人むなしく私は歌っていた。


そして終電で彼女を家まで送る。

毎度の事ながら、めんどっちい。でもこれは仕事みたいなものか。仕方はない。


帰り際、彼女は私の目を見て微笑んだ。

「4年間もありがとうね―」





終電の電車に揺られ頬杖をつく私。大阪の夜景を見ながら、

「記念日ってのも悪くないね」

…と思ってみた。



















5月4日


主任と、違う先輩とで天保山に出向いたが、全く釣りにならず。

帰って店でもらってきたPEとリーダーでノットの練習。

釣具店ではリーダーシステムを頼まれることもあり、練習しとかないと恥ずかしい思いをする。
ビミニツイストとFGノットを特訓。
いかに早く、そして正確に作り上げれるか、それが課題だ。


完成したリーダーシステムをルアーから引っ張った場合、もちろん一番強度が無ければならないのは一番手前のダブルラインの結び目。だから基本的に強いビミニツイストも、負荷が一点に集中しないよう意識して作る。

練習しておけと言われたFGノットは実戦では向かない気がする。強度的には最強のように思うが、暗闇の釣り場で作れと言われても絶対に作らないだろう。

最近私はダブルラインとリーダーの結束にSIGノットなるものを使っている。
簡単で、強度も十分だ。


不意のランカーで何度も泣かないように、不意のお客さんに頼まれて恥ずかしい思いしないように。

丁寧に練習し、夜は更けていきました。











5月3日


今日も北港・天保山へ。

メンバーはバイト仲間3人。元バスプロの先輩と、根性のクレイジーアングラーである同期の友達。
クレイジーな彼は昨夜バイト終了後、深夜12時大雨の中チャリで30分かかる大阪城公園外堀へバスを釣りに1ピースロッド2本担いで出向くという大技を成し遂げている。ちなみに釣果はスピナーベイトでコイ3匹。


先輩の車に乗せてもらい、天保山へ到着。
前日の雨で濁りが入り、コンディションは悪くない。
が、タイドグラフを見るとちょうど潮が変わっていた。これは微妙だ。

いつものように停泊船周りを攻める。
相変わらず15センチくらいのセイゴの群れと巨大なボラの群れが邪魔になる。

桟橋と停泊船の間を丁寧に探っていた先輩が私を呼んだ。

「きたぞー」

開始から15分。
さすがと言おうか、いきなりシーバスを上げた。

        
              先輩の上げたシーバス。型は小さい。


サイズこそ40センチ弱だがシーバスだ。
ヒットルアーはビーフリーズ78。
かっこいいバス持ちでポーズをとってくれたがはずかしいからって消された。


いきなりのヒットに色めきたったが、その後心配された潮の影響か全くのノーバイト。
みんなげんなりして海遊館裏へ移動。


ここで私がヒット!
大きな水しぶきを上げて姿を見せたのは、
50オーバーの…

ボラ。



ボラの群れは一帯を多い尽くし全く釣りにならず。
このまま朝を迎えた。

           
                  今夜もお疲れ様。


結局今日も私はノーゲット。
次ボウズだとぶんぶんで「全日本ノーゲットクラブ」のバッジとTシャツを身につけないといけないらしい。

自分の愚かさを呪います。









5月2日


私はルアーコーナーにいるだけあって、毎日いろいろなロッドを触る事ができる。

新作もいち早く手にすることが出来るなんとも嬉しい環境。


数あるシーバスロッドでどれが一番使いやすいのか。

2980円の安竿から一番値段の高いランクのパームス、ウエダまでいろいろ持って曲げてみた。

しなり、バランス、張り、軽さ、バットパワー、そして繊細さ。コストパフォーマンスも重要だ。
さまざまな観点からよい竿を探す。


一つ一つ感想を書くと、長くなるので省略するが、わたしのつけたランキングは、

1位 GーCRAFT SEVENSENSE

2位 パームス サーフスターアローズ 

3位 ダイコー アルテサーノ

4位 テンリュウ SRmaster

5位 ウエダ SPS


これらが上位5位。

もちろんこれらはほぼ同じくらいの8、3〜8,6FTあたりのモデルを触ってみているが、どのロッドもモデル、長さによって違いがある上、同じモデルでも当たり外れがある。

あくまで持って思い切り曲げただけの私の個人的な意見だということを理解していただきたい。
実釣ではそれぞれまたちがう特性が発揮されるであろう。


今度はもっと細部まで意識して上位15くらいまでだしてみようと思う。













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