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キャッチ&リリース

キャッチ&リリース―

ルアーがメジャーな釣りになりだしたいつからか聞かれるようになったこの言葉。
魚はキープするものだという考えで釣りを始めた私にとってとても違和感がある言葉でした。
普通に食べるために釣りを始めた人からみればリリースは傷ついた魚を捨てているように見えるからです。


そもそもリリースの目的とは何なのでしょうか?

一つに、その魚を絶やさないためと捉えられていると思います。乱獲する事によって魚が確実に減っていく事をなくすためです。
しかしこれは矛盾していると思います。なぜなら、本当にリリースして保護しなければいなくなっていしまうような魚ならば釣らなければいいのです。

ここでわかるのは釣り人のリリースとは、種の保存という大きな問題ではなくせいぜい明日も釣れますようにといったところだということです。「この魚を絶やさないためにリリースしている」という言い方は矛盾しているわけです。
リリース後の生存率が明確にわからないことを考えるとそういう意味合いでリリースしている人もキープしている人も似たようなものです。

また、「小さいから逃がす」といったあたりまえのようになっているリリースもよく考えればおかしいです。小さい魚はこれからどんどん間引かれていくわけで、それらを多少キープしても種全体から見ればたいした影響ではありません。
しかし大きな個体になればなるほど卵を産み、数を増やしていくわけです。その魚の未来を考えるならば本当は大きな魚ほどリリースするべきなのです。

しかし私達は釣り人。
そんな意味でリリースしている人はほとんどいないでしょう。
小さい魚を逃がすのは「もっと大きくなったものを釣りたい」「大きなものを狙っているから対象外」といったところでしょうか。私も人の心が働いて小さいものは逃がしてます。
もちろん、小さな魚を逃がしてやることが無駄なわけではありませんから、大きいものをキープしようが小さいものをキープしようが、どちらでもすくなからず釣り人のためにはなるのでしょう。


釣りという行動自体、大げさに言うと食物連鎖の一端です。
自然界の動物達は自分のエサをリリースしたりしますか?本来なら釣り人がぜ〜んぶキープしたって、それはおかしいことではないはずです。


釣り人とは欲深く獲物を追う「人間」。
そしてリリースとは、食物連鎖の頂点に位置していることを理解し、他のすべての生物の生殺与奪を与えられた「人間」だからこそ生まれた、「余裕」です。

















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